2020年4月1日より施行
民法が120年ぶりに改正となり、この4月から施行されました。賃貸借契約書が今までの条項ですと、無効になる恐れがあります。アパート・マンションをお持ちのオーナー様は、どのあたりに注意すればよいのでしょうか。変わるポイントをチェックしていきましょう。
極度額とは
家賃の滞納があった時、個人の連帯保証人または家賃保証会社に連絡すると思います。個人の連帯保証人の場合「極度額」を設定して、その金額を記載する必要があります。記載がないと無効となってしまいます。
「極度額」とは、連帯保証人が負うべき責任の上限金額となり、支払った分その都度減っていきます。(例:極度額が400万円で、10万円を借主の代わりに連帯保証人が支払った場合、その後の極度額は390万円になります。)
極度額の目安
では、極度額はいくらに設定すればよいのでしょうか。少なすぎる額ですと、大きな事故があった場合、オーナー様が損をしてしまいます。一方、1,000万円など多すぎる額ですと無効となる恐れもあります。
極度額は次の①②③の合計額【賃料の3年分+200万円】が大まかな目安となります。①滞納賃料:契約解除から裁判、強制執行まで【賃料の1年分】②原状回復費用:【200万円】(ゴミ屋敷の場合)③入居者の自殺:【賃料の2年分】(自殺後の賃料は減額が必要)
【賃料の3年分+200万円】ですが、賃料7万円のケースですと【452万円】となります。実際のところ、極度額は賃料の2年分や、部屋数ごとに設定される管理会社、オーナー様が多いようです。(弊社は、これらの状況を鑑みまして、オーナー様と個別に相談して設定いたします。)
家賃保証会社のススメ
なお、極度額は家賃保証会社を通した場合は不要となります。今までは、気軽に引き受けていた連帯保証人ですが、極度額が具体的に500万円と記載されていたら、その金額にびっくりしてしまい個人の連帯保証人は実印を押さないかもしれません。
家賃の保証会社は、滞納家賃の他にもオーナー様に有利な特約がある場合もあります。しっかりした保証のある家賃保証会社でしたら、入居後も安心ですね。この民法改正が追い風となり、家賃保証会社の利用はますます増えていくことでしょう。