家賃滞納について③

前回まで、滞納を未然に防ぐ方法をいくつか挙げました。しかし、それでも滞納が起こってしまった場合、どうやって解決していけばよいのでしょうか。

解決策①

とにかく、早期対応が最も大事です。もし、1カ月放置すれば、1カ月なら滞納しても文句は言われないと都合よく解釈されてしまいます。支払期日に入金確認、その翌日には電話やメール、書面で催促をしたいところです。少しでも遅れてしまうと、1カ月遅れ、2カ月遅れが当たり前になってしまいます。一度滞納が常態化してしまうと、正しいサイクルに戻すのは容易ではありません。

解決策②

入居申込書に、連帯保証人や緊急連絡先(身元引受人)の記載があると思います。その方々に連絡して、家賃を払うよう入居者を説得してもらいましょう。大家さんお一人では心細いですが、身内の人たちを味方につけることができれば、心強いです。(ただ、連帯保証人でない身内の方や勤務先に連絡をしてはいけません。)

解決策③

インターネットには、入居者に有利な情報があふれています。(残念ながら大家さんに有利な情報にはめったにお目にかかれません。)違法行為をしてしまうと、逆に訴えられる恐れもあります。催促の時、感情的に怒鳴った場合、こっそり録音しているかもしれません。

私自身、不動産業界に入って間もない頃、駐車場を半年以上滞納している契約者のマンションのドアに「張り紙」をしてしまったことがあります。その後、取り立てに行ったところ、ヒゲを生やした怖そうな契約者が逆切れして、くわえタバコで1時間ほど玄関前で説教されてしまいました。「違法」張り紙の証拠は保管しているから、訴えてやると激高されました。結局、契約者は知らぬ間に引っ越してしまい、滞納分は支払ってもらえませんでした。

解決策④

滞納額が多いと、なかなか一度に支払うことはできません。その場合は、分割払いをオススメします。

①滞納額②いつまでにいくら③未入金の場合、~日後に退去

と必ず「書面」におこしましょう。時間はかかりますが、返す気があるのなら、確実な方法です。

弊社で管理している家賃4万円のアパートで、50万円ほど滞納された男性がいました。書面を交わして、月2万円を返済する計画を立てたところ、他のマンションに転居した後もきちんと払い続けていただき、2年後に無事に完済することができました!

家賃保証会社をうまく使いましょう

最近は、入居の際に「家賃保証会社」を利用する機会も多くなりました。申し込み審査が通れば、滞納で悩むことはありません。来年からの民法改正の「極度額」対策にもなります。

ただ、夜逃げが免責となっている保証会社を利用してはいけません。(たいがい、契約条文は小さい字でわかりにくく記載されています。)夜逃げは明け渡し完了ではないので、注意が必要です。

また、保証会社を利用の際も、連帯保証人は必要です。保証会社では対応し切れない諸問題も、連帯保証人がいれば相談できます。また保証会社によって、退去時の原状回復費用や自殺事故保険を出してくれる場合もあります。いくつかの保証会社の中から、一番お得なところを選びたいですね。